電子申請における代理申請の必要性
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HPなどを閲覧するWebサーフィンや電子メールの利用などインターネット利用の勢いはここ数年目覚しいものがあります。手ごろな価格のパソコンが販売されるようになり、インターネットへの接続もフレッツISDNやADSLの登場で定額高速な常時接続が可能となりました。また光ファイバを利用したBフレッツもその利用可能な地域を徐々に拡大しております。ネットワークにおけるセキュリティ技術も発達し、本格的な電子商取引を徐々に可能にしつつあります。 インターネットを利用することにより、国民や企業は多くの情報を共有できるようになり、また今まで体験したことのない便利さや快適さをネットで享受また体感された方も多いでしょう。 政府も申請者の負担軽減対策、利便性の向上をスローガンに自宅や事務所にいながらインターネットを利用して時間を気にすることなく、住民票や戸籍謄抄本の申請や届け出等の行政手続きが可能となる「電子政府」の実現を目指しております。 各省庁ではそれぞれが電子化に向けた独自のアクションプログラムを発表し、HP上でも公開しております。更に、e-Japan重点計画では「国民等と行政との間の実質的にすべての申請・届出等手続きを、2003年度までのできる限り早期にインターネットで行えるようにする」という政策を発表いたしました。また国は地方公共団体の電子化について、すべての国民がITの恩恵が享受できるようにするために、住民に身近な地方公共団体の取組みを支援するとしています。具体的には地方公共団体における組織認証基盤や個人認証基盤の整備や複数の行政手続きに汎用的に利用できる汎用システムの整備などがあげられます。以上の様に政府や地方自治体の電子化は電子政府また電子自治体の着実な推進を目指し、着々とその作業が進められております。(e-Japan2002プログラムでは平成15年度までに、国の行政機関が扱う手続きについては1万900件(98%)、地方公共団体が扱う手続きについては約4900件(95%)のそれぞれ手続きについてオンライン化を図ることとされております) 以上のように、行政手続きの受理側の準備は急ピッチで進められておりますが、実際に手続きをする利用者側の準備や国や地方自治体の対応・対策はどうなのでしょうか。 利用者にとって誰もが使いやすい利用者本意の優しいシステムがつくられるのか、またIT活用の啓発や広報に関しての対策は十分なのかといった問題も考えられます。 利用者側の意見や希望が反映されない技術先行型、技術主導型のシステム構築では、せっかく莫大な費用を投じても、使いづらいまたは使えないシステムが出来上がってしまう懸念があります。小泉内閣ではメールマガジンを発行し、それを通じて「e-Japan2002プログラム」に掲げられた施策の実施状況等について国民に広く周知するとともに、国民からの返信をIT政策に反映することにより、IT革命の推進を確かなものにしていくとしております。この方針自体はメールを利用して国民の意見を積極的に取り入れるという画期的なプロジェクトであると評価はできますが、どれだけの国民がこの方針を認識しているのでしょうか。また、メールマガジンを受信できない国民の意見はどのようにして反映されるのでしょうか。この点をさらに検討して、できるだけ多くの意見や希望を取り入れながら、「国民に優しい電子政府」の構築を進めていただきいと考えます。
一方、利用者側である国民の実状をみますと、パソコンやインターネットの利用者は増えたものの、現実にはパソコンを所有していない、所有していてもインターネットのアクセス回数が少ない等インターネットの利用度、また活用するための能力や知識の差は大きいのではないかと考えられます。すべての国民や企業が公平にインターネットから得られる恩恵を享受できなければ電子政府や電子自治体の着実な推進は望めません。いわゆる、徹底した情報リテラシーの向上をはかる必要性があります。 国はこれらの問題に対応するために平成13年1月から平成14年3月までの間に成人550万人を対象とした「IT技能基礎講習」を進めております。しかし、相当数の国民が受講できないというのが実状のようであります。 この他、ITに関して住民の相談を受ける「IT基礎技能住民サポート事業」(IT基礎技能住民サポートセンターの設置)、IT技能基礎講習の講師やサポートセンターの相談員「地域ITリーダーの育成・確保」(NPO・ボランティア・学生等の協力を得る)という施策を進めることとしております。 さらに経済産業省では中小企業経営者のIT活用相談役として「ITコーディネータ制度」を設けました。当面、中小企業がITコーディネータを活用しIT推進を行うと1企業につき最大200万円の補助金を支給するとしております。 しかし、上記の施策をこうじても現実問題として、電子申請の現場において全ての国民や企業に対してすぐにスキルアップ等の効果は期待できないのではないのでしょうか。 2001年の情報通信白書(総務省)によるとインターネット利用度調査のアンケートでインターネットを利用しないという回答が10%あったそうです。高齢者にいたっては17%ということで、何らかの理由でサイバー空間に参加できない人達がいます。これは企業にも同じことがいえるかもしれません。これらの国民(住民)や企業と電子社会、電子行政(電子政府・電子自治体)とのパイプ役が必要になります。 そこで、効率的に電子政府・電子道庁を推進するために、行政書士等国家資格者を利用した代理申請システムの整備が電子化対策のひとつとして考えられます。 リアル社会において国家資格者は、これまで国民のニーズとして行政書士・司法書士・社会保険労務士など多くの行政手続の分野で資格者による代理代行業務が求められてきました。 また国としましても、いわゆる士業に対してそれぞれ個別に法制度化し、代理代行を必要とする国民の権利や利益を保護してきました。行政書士も、行政手続の専門家として国民や企業の付託に応えてきました。 また、ネットワークの利用において個人情報漏洩等の問題が心配されておりますが、国家資格者はそれぞれの個別法により、守秘義務が規定されております。その為、電子申請手続きにおいて個人情報の保護や国民の利益・権利保護が大きく損なわれることのないよう、安全且つ安心な電子申請を可能とする国家資格者の活用が求められることになります。 この代理システムに関しては、共通課題研究会の最終報告書や電子認証システム推進検討会による「法務省法人代表者証明書の利用に関するガイドライン」にもネット上の代理行為に関する解説があり、電子的代理システムは必要なシステムとして考慮されていることが容易に判断できます。 現在、代理人の申請を認めている電子申請に「債権譲渡オンライン登記申請」や「電子公証制度」があります。 しかし、国が進める汎用受付システムには、現在のところ代理申請に関する情報がありません。ぜひ全ての電子申請に代理申請システムの整備を進めていただきたいところです。 「電子政府」、「電子自治体」が、利用者本意且つ利用者主導型の公平・平等な環境の中で着実に推進するためにも、代理申請システムの構築また有資格者等専門家の活用は不可欠であると考えます。 行政書士 佐 藤 文 則 |