「IT基本法(仮称)」案に対するパブリックコメント

                                           平成12年9月28日
                                         行政書士 佐藤文則(北海道苫小牧市)


「IT基本法(仮称)」案に関しまして、広く国民からパブリックコメントの募集ということで発言の機会をいただきましたので、電子政府構想に注目する者の1人としてご提案も含めコメントさせていただきます。

政府はIT技術を利用し、国への申請や届け出などの行政手続きを電子化する、いわゆる「電子政府」の実現に向けた電子政府一括法案(仮称)を来年の次期通常国会に提出する方針を決めたことを新聞報道で知りました。
また、これに関連して、国は「電子自治体」への環境整備にも取り組み、国と地方公共団
体の電子化を同時平行で進めることも報じられております。
また、自治省のホームページでは「IT革命に対応した地方公共団体における情報
化施策等の推進に関する指針」が発表されております。
これらの報道から政府は2003年までに「完全電子政府化」を目標にし、政府を中心に我が国の電子化に向けた作業が急ピッチで進められていることが分かります。

IT基本法はわが国の電子政府構築におけるまた豊かで楽しい未来社会を迎えるために非常に重要な基盤的制度となることを認識するものであります。それ故、国民の飛躍的な利便性の向上とより安心・安全な通信社会システムの構築を目指した国民主体また利用者主導型の電子社会インフラが形成されるよう慎重に制度化していただきたいと思います。

以下の項目に関してコメントさせていただきます。

3.基本理念
(5)情報格差の是正並びに安全性及び信頼性の確保

今後構築されるであろう電子申請システムや情報ネットワークシステムが、国民にとって誰もが使いやすいシステムになることを期待しております。技術先行型で巨額の費用を投じて構築したシステムが、国民にとって使いづらいものでは「電子政府」の実現にブレーキがかかってしまいます。勿論、地方公共団体の電子化においても同様のことがいえます。国民にとっていつでもどこでもまた誰もが簡単に利用できるシステムの構築、また多くの国民に平等にネットワークのメリットを享受していただくため、よりバランスの取れた利用者主導型のシステム構築が望まれます。
また、ネットワークを利用する側の準備はどうなのでしょうか。折角、国が素晴らしいシステムを完成しても利用者にシステムに関する情報提供や広報が十分ではなく、利用上国民にストレスを感じさせるような状況が起こると「完全電子政府」の早期実現が遅くなります。
ネットワーク利用のための情報格差の是正には行政を中心とした情報リテラシー向上の為の啓蒙活動が必要です。これには国と各地方自治体との連携と協力が求められます。
公的施設を活用した啓蒙活動、地域におけるIT技術者の育成、ボランティアの協力による地域情報化促進の運動、更にあとでも述べますが国民に身近な国家資格者による代理制度の活用等が考えられます。

安全性及び信頼性の確保において、代理システムの構築をご提案します。利用者本人がネットワーク利用の十分な知識やスキルを有していれば問題はありませんが、すべての国民にそれをいきなり求めるのは不可能であります。実社会では、これまで国民のニーズとして弁護士、行政書士・司法書士など多くの分野で資格者による代理代行業務が求められてきました。 また国としても、いわゆる士業に対してそれぞれ個別に法制度化し、代理代行を必要とする国民の権利や利益を保護してきました。
ネットワークにおいても、同様に国民の利便性の向上だけではなく、国民への情報リテラシー向上のサポーター役、電子社会における良き相談相手として代理システムは必要であると考えます。そこには、安全、安心且つ信頼のおける代理システム構築が求められる訳ですが、国民の利益や権利保護を使命とした資格者を活用し、代理制度を法制化すべきであると考えます。万が一法制化されず誰もが代理代行行為が可能ということになりますと、個人情報の保護や国民の利益・権利保護が大きく損なわれる恐れがあります。ぜひ、資格者を活用した代理制度の明文化を強く希望いたします。

この代理システムに関しては
共通課題研究会
http://www.somucho.go.jp/gyoukan/kanri/000316a.htm
また
電子認証システム推進検討会の
法務省法人代表者証明書の利用に関するガイドライン
http://www.ecom.or.jp/
にもネット上の代理行為に関する解説があります。
上記解説からも電子的代理システムは必要であると判断できます。

ぜひ、国家資格者を活用した代理システムの構築と法制度化を強く希望いたします。